ホテルリネンとは
ホテルリネンとは、客室で使われるシーツ・カバー・タオル類に加え、レストランのテーブルクロスやナプキンまで含む、ホテル内で使われる布製品全般を指す言葉です。もとは亜麻(英語で linen)で織った布地を意味していました。
このページの要点
- ホテルリネンとは、客室のベッドシーツ・デュベカバー・枕カバー、バスルームのタオル類、宿泊者用のナイトウェア、レストランのテーブルリネンまでを指す言葉です。
- 家庭用の洗濯との違いは温度と仕上げです。家庭用の洗濯機は40°C前後までしか上がりませんが、業務用では高温で洗い、ロールアイロナーで伸ばして仕上げます。
- 必要枚数は客室数・稼働率・集配の回数で変わるため、一律の目安はありません。
毎日洗われ、高温にさらされ、それでも新品のように見えなければならない。この記事では、ホテルのリネンが家庭のものと何が違うのか、何をどう選ぶのか、どのタイミングで替えるのかを、リネン工場を運営している立場から整理します。
なぜ「リネン」と呼ぶのか
「リネン」はもともと亜麻(あま)の繊維で織った布地を指す言葉です。丈夫で吸水性が高く、古くからシーツやテーブルクロスに使われてきました。現在のホテル向け製品は、耐久性や洗濯のしやすさから綿やポリエステル混の生地が主流ですが、素材が変わったあとも「リネン」という呼び方だけが業界用語として残っています。
客室にあるリネンの種類
1室あたりで動くリネンは、おおむね次のものです。
ベッド類
ベッドシーツ、デュベカバー(掛け布団カバー)、枕カバー。客室の印象をいちばん左右する部分で、しわや折り目がそのまま品質の印象になります。
バスルーム類
フェイスタオル、バスタオル、バスマット。使用頻度が高く、傷みやすい品目です。枚数も多く、コストに効いてきます。
着るもの
宿泊者用のナイトウェアと、スタッフのユニフォーム。肌に触れる時間が長く、サイズ展開も必要になります。
テーブルリネン
レストランや宴会場で使うテーブルクロス・ナプキン・トーションも、広い意味では「リネン」に含まれます。当社が承っているのは客室で使うリネンが中心で、テーブルリネンは取り扱っておりません。
品目ごとの対応サイズは取扱商品にまとめています。
リネン室とリネン係
多くのホテルには、リネンをまとめて保管する「リネン室」があります。客室から下げたリネンをここに集め、仕分けをしてから、洗濯設備または委託先の工場へ渡す動線です。
この管理を担当するのが「リネン係」(リネンアテンダント)で、主な仕事は回収・仕分け・在庫管理・破損や汚れの確認です。当社のようなリネンサプライ業者に委託している場合、ホテル側が担うのはここまでで、回収したリネンを高温で洗浄し、仕上げ、検品して客室で使える状態に戻すところからは工場側の仕事になります。委託した場合の費用感は料金表にまとめています。
家庭用と何が違うのか
ホテルリネンに求められるのは、肌ざわりの良さだけではありません。 何百回洗っても形と白さが保てることが前提になります。
高温洗浄に耐えること
衛生を担保するため、当社では高温で洗う品目を80°C以上で洗っています。家庭用の生地では、この温度で繰り返し洗うと早く傷みます。
アイロン仕上げに耐えること
シーツやカバー類は、熱を持ったロールに通して仕上げます。この工程があるから、客室でそのまま使える状態になります。
同じものが揃うこと
1室だけ色味や風合いが違うと、それだけで古びて見えます。同一の規格でまとまった枚数を確保できることが、家庭用との決定的な違いです。
何枚必要になるのか
よくある誤解が「客室数と同じ枚数を持てばいい」というものです。実際にはそうなりません。 同時に3つの場所に存在している必要があるからです。
客室で使われている分
いまベッドに敷かれている、バスルームに掛かっている分です。
館内に置いてある分
次の清掃で使う予備。ここが薄いと、満室のときに足りなくなります。
工場で洗われている分
回収されて洗浄・仕上げの途中にある分です。配送の頻度が少ないほど、この滞留が増えます。
つまり配送の回数を増やせば、持っておく枚数は減らせます。 保管スペースが狭い施設ほど、この考え方が効いてきます。 必要枚数は客室数・稼働率・配送頻度の組み合わせ次第です。 ご相談いただければ一緒に計算します。
いつ替えるのか
リネンは消耗品です。破れる前に、見た目が落ちた時点で替わっていくのが理想だと考えています。 判断されるのは主に次の3つです。
入れ替えを考えるタイミング
落ちないシミがついたとき
洗浄後のチェックで、基準を満たさないものは再洗浄します。それでも落ちない場合は交換に回します。
生地が薄くなったとき
繰り返し洗ううちに、風合いと吸水性が落ちていきます。破れる前の段階で入れ替えるのが、客室の印象を保つうえで重要です。
白さが戻らなくなったとき
1枚だけ黄ばんでいると、隣の白いリネンと並んだときに目立ちます。全体の色味を揃えることが、結果的にいちばん効きます。
リネンサプライを利用している場合、この入れ替えは業者側の仕事になります。 回収時に状態を確認し、基準を満たさないものは交換されるため、ホテル側で在庫を数えたり買い替えを判断したりする必要がありません。 仕組みそのものはリネンサプライとはで説明しています。
調達の3つのやり方
買って、自分で洗う
洗濯設備と人手が要ります。高温洗浄とアイロン仕上げを毎日回せる規模かどうかが分かれ目です。設備の維持費と人件費が固定で乗ります。
買って、洗いだけ頼む
クリーニングに出す形です。購入費と在庫管理はホテル側に残りますが、洗濯設備は不要になります。特定の柄や素材にこだわりたい施設に向いた形といえるでしょう。当社でも、お客様がお持ちのリネンの洗濯を承ります。
借りて使う(リネンサプライ)
購入費も在庫管理も買い替えも業者側になります。月額制で、使った分だけの支払いです。多くのホテルがこの形をとっています。
どれが合うかは、規模と、どこに手間をかけたいかで変わります。 当社がご提供しているのは、3番目のホテル向けリネンサプライという形です。 東京都足立区鹿浜の自社工場から、東京・埼玉へお届けしています。
どの形が合うかは、客室数といまお使いのリネンをうかがえばお答えできます。いまお持ちのリネンを洗うだけ、という形でも承ります。
このページの根拠
- 旅館業法(昭和23年法律第138号) 第4条が「換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置」を営業者の義務としている。第2条第5項は「宿泊」を「寝具を使用して施設を利用すること」と定義している(e-Gov 法令検索・2026-09-18 取得)。
ホテルリネンについてよくいただくご質問
ホテルリネンとは何を指しますか?
客室のベッドシーツ・デュベカバー・枕カバー、バスルームのタオル類、宿泊者用のナイトウェア、そしてレストランのテーブルリネンまでを含む言葉です。施設によって「リネン」が指す範囲が違うため、見積りの前に品目を揃えて数えます。
家庭用の洗濯と何が違いますか?
温度と仕上げです。家庭用の洗濯機は40°C前後までしか上がりませんが、皮脂汚れは温度が上がるほど落ちます。仕上げもロールアイロナーで伸ばすため、畳んだときの厚みと見た目が変わります。
リネン室やリネン係は必要ですか?
リネンを施設内で洗う場合は必要です。外に出す場合も、納品されたリネンを置く場所は要ります。置き場が狭い施設では、集配の回数を増やして1回あたりの納品量を減らす形で吸収できます。
客室数に対して何枚用意すればよいですか?
客室数・稼働率・集配の回数で変わるため、一律の枚数はありません。客室数と集配の回数をうかがえば、必要枚数の目安をお出しします。導入までの流れのヒアリングで確認している項目です。
お見積りは無料です
客室数と現在の状況をうかがえば、概算の金額をご提示できます。
1営業日以内にご連絡します