シーツの黄ばみはなぜ落ちないのか

この記事の要点

  • 黄ばみは汚れが落ちていないのではなく、落としきれなかった皮脂が繊維の中で酸化して固まったものです。50回、100回と積み重なってから見えてきます
  • 皮脂は油なので温度が要ります。家庭用の洗濯機は40℃前後まで、業務用は80℃以上まで上げられます。アルカリ剤で分解して温度で溶かし出す2つが揃わないと残ります
  • 一番効くのはすすぎです。浮かせた皮脂を水と一緒に排出しきらないと、脱水のときに繊維へ戻ります。当社が下水道局へ届け出ている排水量は日平均48.6m³です
  • すでに黄ばんだものは完全には戻らないことがあります。無理に漂白すると生地が薄くなるので、戻る見込みが薄いものはその旨をお伝えします
  • 予防は3つ。使用後に湿ったまま放置しない、回収の間隔をあけすぎない、枕カバーの交換頻度を上げる

ホテルのシーツやデュベカバーが、洗っても白くならず、うっすら黄ばんで見える。これは汚れが落ちていないのではなく、落ちた汚れが繊維の中で酸化して固まっていることがほとんどです。

黄ばみの正体は皮脂です

人はひと晩で200mlほどの汗をかきます。汗そのものは水溶性なので普通に落ちますが、一緒に出る皮脂は油です。油は水では落ちません。落としきれなかった皮脂が繊維の奥に残り、空気に触れて酸化すると、黄色く変色して固着します。

厄介なのは、こうなってから気づくことです。1回の洗濯で黄ばむわけではなく、50回、100回と積み重なって、ある日「なんだか黄色いな」と見えるようになります。その時点では、繊維の内側で酸化が完了しています。

だから温度が要ります

皮脂は温度が上がるほど溶けやすくなります。家庭の洗濯機が40℃前後までしか上げられないのに対し、業務用の洗濯機は80℃以上まで上げられます。当社では、高温で洗ってよい品目は80℃以上で洗浄しています(素材によっては生地を傷めるため、品目ごとに温度を変えています)。

アルカリ剤で皮脂を分解し、そのうえで温度をかけて溶かし出す。この2つが揃わないと、皮脂は繊維に残ります。「洗剤を強くする」だけでは解決しません。

すすぎで落としきることのほうが大事です

意外に思われるかもしれませんが、黄ばみを防ぐうえで一番効くのはすすぎです。洗剤で浮かせた皮脂を、水と一緒に完全に排出しないと、脱水のときに繊維へ戻ります。当社の工場が下水道局へ届け出ている排水量は、日平均48.6m³。水をしっかり使ってすすいでいるという意味でもあります。

すでに黄ばんでしまったものは

正直に書きます。完全に元に戻るとは限りません。

酸化が浅い段階なら、アルカリ剤で時間をかけて処理することで、かなり戻ります。ただし繊維の内部まで固着している場合、無理に漂白すると生地が薄くなり、破れやすくなります。ホテルのリネンは何百回と洗うものなので、1回きれいにして寿命を縮めるのは割に合いません。

当社では、入荷時の検品でこうした状態のものを分け、処理の仕方を変えています。戻る見込みが薄いものは、その旨をお伝えします。「洗えば白くなります」とだけ言うほうが受注は取りやすいのですが、実際に戻らなければ、次の月に同じ話をすることになるだけです。

予防のほうが確実です

  • 使用後は湿ったまま放置しない。濡れたまま袋に入れて置くと、皮脂の酸化が早まります。回収までに時間があく場合は、風の通る場所に置いてください
  • 回収の間隔をあけすぎない。週1回より週3回のほうが、1枚あたりの滞留時間が短くなります
  • 枕カバーは特に早く傷みます。顔と髪が直接触れるので、皮脂の量が桁違いです。交換頻度を上げるのが一番効きます

集配の回数は料金にも影響します(料金の決まり方にまとめています)。回数を増やすと配送費は上がりますが、リネンの寿命が延びるぶん、買い替えの周期は長くなります。どちらが得かは施設によって変わるので、実際の枚数でご相談ください。

同じことでお困りでしたら、一度お話をうかがえればと思います。お受けできるかどうかは、客室数と品目をうかがえばその場でお答えします。

この記事を書いている工場について

おもてなしリネンサプライ(おもてなしロボティクス株式会社)は、東京都足立区鹿浜の自社工場で ホテル・旅館・民泊向けのリネンサプライを行っています。1日2t以上、6施設ぶんを毎日洗う工場です。 高温で洗うものは80°C以上。入荷時・洗浄後・仕上げ・出荷前の4段階で検品しています。 対応エリアは東京・埼玉、月額5万円からお受けしています。

工場の作り方、 品質への取り組み、 営業許可と届出を公開しています。 お急ぎのご相談は 03-6823-4721(平日 9:00〜18:00)へどうぞ。

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